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閉店と居抜き

店舗の解約予告の期限と
通知書・厨房機器を売る時期

最終更新:2026年9月29日

店舗の解約予告の期限と 通知書・厨房機器を売る時期閉店と居抜き店舗の解約予告はいつまでに出す?通知書の書き方と厨房機器を売る時期

店舗の解約予告は、賃貸借契約書の解約条項に書かれた予告期間までに、書面で貸主に届くように出します。店舗の契約は3〜6か月前とする例が多く、住宅より長めです。予告期間が過ぎるまでは、店を閉めていても賃料がかかります。

飲食店の閉店では、解約予告を出す前に厨房機器の買取査定を取っておくと、居抜きで譲るか機器を売るかを比べてから解約日を決められます。この記事では、予告期間の決まり方、解約日と明渡し日の関係、予告期間中の賃料、通知書の書き方と送り方、期限に間に合わないときの対応を、民法・借地借家法の条文と国土交通省・日本郵便の資料で整理します(2026年9月29日確認)。

目次
  1. 店舗の解約予告は契約書の期間で決まる
  2. 解約予告の期間を法律の決まりで確かめる
  3. 解約予告で決める解約日と明渡し日
  4. 解約予告の期間中にかかる賃料
  5. 店舗の解約予告の出し方と通知書
  6. 解約予告の前に厨房機器の値を確かめる
  7. 解約予告の期限に間に合わないとき
  8. 定期借家の店舗は解約予告できるか
  9. 店舗の解約予告に関するよくある質問

店舗の解約予告は契約書の期間で決まる

店舗の解約予告をいつまでに出すかは、賃貸借契約書の解約条項に書かれた予告期間で決まります。店舗の契約は3〜6か月前とする例が多く、住宅の契約より長めに設定されています。

解約予告とは、借りている店舗の賃貸借契約を終わらせる意思を、契約で決めた期間より前に貸主へ伝えることです。契約書では「解約の申入れ」「中途解約」と書かれていることもあります。

店舗の解約予告は契約書の期間で決まる
物件と契約予告期間の例根拠
住宅(国の標準のひな形)少なくとも30日前国土交通省の賃貸住宅標準契約書 第11条
店舗・飲食店3〜6か月前とする例が多いそれぞれの賃貸借契約書
期間の定めがない建物の賃貸借解約の申入れの日から3か月で終了民法617条1項

国土交通省の賃貸住宅標準契約書は、借主が少なくとも30日前に解約を申し入れれば解約できる形です。これは住宅のひな形で、店舗の契約には当てはまりません。飲食店ドットコムの居抜き売却の解説は、居住用はおおむね1か月前、店舗物件は3か月〜6か月前がほとんどとしています。

予告期間のほかにも、解約の手続きに関わる条項があります。解約予告を出す前に、次の4つを契約書で読み合わせてください。

店舗の解約予告は契約書の期間で決まる
確かめる条項見るところ
解約(中途解約)予告期間、通知の方法、書式の指定
賃料予告期間の賃料、日割りの有無
原状回復戻す範囲、工事業者の指定
保証金・敷金償却の割合、返ってくる時期

保証金が返ってくる額と時期はテナントの保証金、原状回復の範囲と費用は店舗の原状回復費用で解説しています。

参照:国土交通省「『賃貸住宅標準契約書』について」(平成30年3月版・連帯保証人型 第11条)/e-Gov法令検索「民法」第617条/飲食店ドットコム 居抜き売却「飲食店の閉店時に必須の『解約予告』とは?」(いずれも2026年9月29日確認)

解約予告の期間を法律の決まりで確かめる

借主から出るときの予告期間は、まず契約書の定めを見ます。民法と借地借家法が定めているのは、期間の定めがない契約の解約、期間満了での更新、貸主から解約するときの条件などです。

解約予告の期間を法律の決まりで確かめる
条文定めていること店舗の解約予告で見る場面
民法617条1項期間を定めなかった賃貸借は、各当事者がいつでも解約を申し入れられる。建物は申入れの日から3か月で終了期間の定めがない契約
民法618条期間を定めても、期間内に解約する権利を留保したときは617条を準用中途解約の条項がある契約
借地借家法26条1項満了の1年前から6月前までに更新しない旨の通知をしなかったときは、同じ条件で更新したものとみなす(期間の定めはないものになる)契約期間の満了で出るとき
借地借家法27条1項・28条貸主からの解約の申入れは6か月で終了。正当の事由が認められなければできない貸主から退去を求められたとき
借地借家法30条借地借家法の「建物賃貸借契約の更新等」の節の規定に反する特約で、借主に不利なものは無効更新や貸主からの解約に関する特約

契約期間の途中で出るときに見るのは、中途解約の条項です。民法618条は、期間を定めた契約でも、期間内に解約する権利を留保したときに617条を準用するとしています。条項がない契約で途中に出たいときは、時期と条件を貸主と話し合って決めます。

契約期間の満了に合わせて出る場合も、通知の時期に注意します。更新しない旨の通知を満了の1年前から6月前までにしないと、同じ条件で更新したものとみなされます。契約書の更新の条項とあわせて確かめてください。

条文の当てはめは、契約の書き方と事情で変わります。判断に迷うときは、弁護士などの専門家に相談してください。

参照:e-Gov法令検索「民法」第617条・第618条/e-Gov法令検索「借地借家法」第26条・第27条・第28条・第30条(いずれも2026年9月29日に条文を確認)

解約予告で決める解約日と明渡し日

解約予告では、契約が終わる解約日を決めます。店を空けて鍵を返す明渡し日は解約日までに置き、最終営業日はさらに前に、厨房機器の搬出と原状回復の工事の日数を取って決めます。

解約予告で決める解約日と明渡し日
日付意味決め方
解約予告の日通知が貸主に届いた日解約日から予告期間を逆算する
最終営業日客を入れる最後の日搬出と工事の日数を引いて決める
機器の搬出日厨房機器を運び出す日原状回復の着工より前に置く
明渡し日店を空けて鍵を返す日原状回復の完了と立会いの日程で決める
解約日賃貸借契約が終わる日予告期間を満たす日にする

予告期間は、送った日ではなく届いた日から数える前提で余裕を持たせます。民法97条1項は、意思表示は通知が相手方に到達した時から効力を生ずると定めています。月末の締め切りに近いときは、数日早く出してください。

解約日と明渡し日は別の日です。飲食店ドットコムの解説は、解約日より前に店から引き上げても解約予告の期間の賃料は発生するとしています。早く明け渡しても、解約日までの賃料が減るとは限りません。

搬出が原状回復の着工に間に合わないと、機器は残置物として処分の対象になります。閉店全体の順番は飲食店の閉店でやること、移転で次の店と日程が重なるときは飲食店の移転手続きを参照してください。

参照:e-Gov法令検索「民法」第97条(2026年9月29日に条文を確認)/飲食店ドットコム 居抜き売却「飲食店の閉店時に必須の『解約予告』とは?」(2026年9月29日確認)

解約予告の期間中にかかる賃料

賃貸借契約は解約日まで続くため、解約予告の期間中は店を閉めていても解約日までの賃料がかかります。予告期間に足りない分の賃料を払えば早く解約できる条項がある契約もあるため、賃料の条項を先に読みます。

解約予告の期間中にかかる賃料
ケース払う賃料
予告期間いっぱい営業して退去予告期間の分を、営業しながら払う
予告期間6か月で、通知の1か月後に明け渡す残りの5か月分も払う(飲食店ドットコムの例)
足りない分の賃料で随時解約できる条項がある条項で決めた分を払えば、その時点で解約できる
次の借主が決まり、貸主が早い解約に合意合意した日までの分

足りない分の賃料で解約できる形は、国土交通省の住宅のひな形にもあります。賃貸住宅標準契約書の第11条2項は、解約申入れの日から30日分の賃料を払えば、30日を待たずに随時解約できるとしています。同じ定めが店舗の契約にあるとは限りません。

営業しない期間の賃料を減らすには、閉める日が決まった時点で早めに予告を出します。閉める時期がまだ決まらないうちに出すと、営業できる期間まで削ることになります。

居抜きで次の借主が見つかると、貸主が予告期間の賃料を短くしてくれる可能性もあると飲食店ドットコムは解説しています。ただし居抜きの売却は、解約予告の前に貸主と交渉して承諾を得る必要があるとしています。進め方は居抜き売却の進め方と造作譲渡とは、閉店にかかる費用の全体は飲食店の閉店費用で確かめられます。

参照:国土交通省「『賃貸住宅標準契約書』について」(平成30年3月版・連帯保証人型 第11条・解説コメント)/飲食店ドットコム 居抜き売却「飲食店の閉店時に必須の『解約予告』とは?」(いずれも2026年9月29日確認)

店舗の解約予告の出し方と通知書

店舗の解約予告は、契約書の指定どおり書面で出し、届いた日を示せる方法で送ります。貸主や管理会社が書式を指定していることもあるため、書く前に確かめます。

通知書に書く項目は、次のとおりです。書式の指定がなければ、この順に並べると漏れが出にくくなります。

店舗の解約予告の出し方と通知書
項目書き方の例
あて先貸主。管理会社を通すなら契約書の通知先
物件所在地、建物名、区画や部屋の番号
契約契約日と契約の名義
解約の意思上記の賃貸借契約を解約する旨
解約日予告期間を満たす日付
明渡しの予定明渡し予定日と立会いの希望
通知日と差出人日付、借主の名称・住所・代表者名、連絡先

送り方は、届いたことを後で示せるものを選びます。日本郵便の内容証明は、いつ、どんな内容の文書を誰から誰あてに差し出したかを、差出人が作った謄本で証明する制度です。配達証明を付けると、配達した事実も証明されます。

店舗の解約予告の出し方と通知書
送り方残る記録注意点
内容証明+配達証明文書の内容と差出日、配達した事実一般書留にする必要がある。加算料金は内容証明480円(2枚目以降290円増)、配達証明350円
手渡し控えへの受領のサインと日付控えを2部作り、1部に受け取りを書いてもらう
管理会社の書式・受付管理会社の受付記録契約書が認めている出し方か確かめる

内容証明が証明するのは文書の存在で、内容が真実かどうかではありません。差出人は差し出した日から5年以内なら、郵便局に保存された謄本の閲覧を請求できます。インターネットで出せるe内容証明もあります。

参照:日本郵便「内容証明」/日本郵便「配達証明」(いずれも2026年9月29日確認。料金は確認日時点)

解約予告の前に厨房機器の値を確かめる

解約予告の前に厨房機器の買取査定を取ると、居抜きで譲るか機器を売るかを比べてから解約日を決められます。予告を出すと原状回復に向けた日程が動き出すため、査定は先に済ませます。

解約予告の前に厨房機器の値を確かめる
予告の前にすること理由詳しい記事
機器リストを作り、購入品とリース品を分けるリース品は所有権がリース会社にあり、売れない厨房機器のリース
買取査定を2〜3社から取る売れる額で閉店費用の見通しが変わる厨房機器の買取相場
居抜きや造作譲渡ができるか貸主に確かめる設備を残して譲るには貸主の承諾が要る造作譲渡とは
搬出の条件を確かめる建物の搬出のルールで日程が縛られることがある厨房機器の運搬費用
フロン類を使う機器を洗い出す業務用の冷機を捨てるときは回収の手続きが要る行程管理票とは

査定を取っても、売る義務は生じないのが通常です。売れる額が分かれば、居抜きの譲渡額と機器を売った額を同じ表で比べられます。解約日を決めるのは、その比較のあとでも間に合います。

厨房機器は動くうちに査定に出すほど、値が付く機器が増えます。閉店の買取の段取りは閉店時の厨房機器買取にまとめています。複数の機器をまとめて手放すなら、各社の対応品目と出張エリアを比較表で並べると早く進みます。

値が付かない機器は処分に回します。処分の手続きと費用は厨房機器の処分方法で確かめてください。

解約予告の期限に間に合わないとき

解約予告の期限を過ぎたときは、解約日を後ろにずらすか、足りない期間の賃料を払って早い解約に合意してもらうかを、貸主と相談します。合意した内容は書面に残します。

解約予告の期限に間に合わないとき
対応中身向いている場面
解約日を後ろにずらす予告期間を満たす最短の日を解約日にする閉店の日を動かせる
足りない分を払って合意する不足期間の賃料を払い、早い解約に合意してもらう閉店の日を動かせない
次の借主を探す居抜きの後継が決まれば、早い解約の相談材料になる設備を残して譲れる物件
解約日まで営業を続ける予告期間の賃料を売上で賄う営業を続けられる

閉店の日が動くと、従業員への予告の日も動きます。労働基準法20条は、解雇しようとするときは少なくとも30日前に予告し、予告しないときは30日分以上の平均賃金を払うよう定めています。予告の日数は、平均賃金を払った日数だけ短くできます。

従業員の手続きと行政への届出の期限は、飲食店の廃業手続きと保健所の廃業届で整理しています。解約日を決め直したら、届出の日程も合わせて組み直してください。

参照:e-Gov法令検索「労働基準法」第20条(2026年9月29日に条文を確認)

定期借家の店舗は解約予告できるか

定期建物賃貸借(定期借家)の店舗は、中途解約の特約がなければ、期間の途中に解約予告をして出られないと考えておきます。借地借家法が借主からの中途解約を定めているのは、床面積200平方メートル未満の居住用の建物に限られます。

定期借家の店舗は解約予告できるか
契約の種類期間の途中で出る期間の満了で出る
普通借家(期間の定めあり)中途解約の条項による(民法618条)満了の1年前から6月前までに更新しない旨を通知(借地借家法26条1項)
普通借家(期間の定めなし)申入れから3か月で終了(民法617条1項)。契約の定めも確かめる満了はない
定期借家の店舗中途解約の特約による(借地借家法38条7項は居住用に限る)期間の満了で終了。期間1年以上なら、貸主は1年前から6月前までに終了を通知しなければ借主に対抗できない(同38条6項)

定期借家かどうかは、契約書の表題と説明の書面で見分けます。定期借家は公正証書などの書面で結び、貸主は更新がなく期間の満了で終わる旨を、書面を交付して説明しなければなりません(借地借家法38条1項・3項)。

定期借家で中途解約の特約がないときは、残りの期間の賃料の扱いと早い解約の条件を貸主に相談します。居抜きで後継の借主を探すかどうかも、その相談の中で決めます。

参照:e-Gov法令検索「借地借家法」第26条・第38条/e-Gov法令検索「民法」第617条・第618条(いずれも2026年9月29日に条文を確認)

店舗の解約予告に関するよくある質問

店舗の解約予告は何か月前に出しますか?

賃貸借契約書の解約条項に書かれた予告期間までに出します。店舗の契約は3〜6か月前とする例が多いです。期間の定めがない建物の賃貸借で契約にも定めがなければ、民法617条により解約の申入れの日から3か月で終了します。

解約予告はメールで出してもいいですか?

契約書が書面での通知を求めていれば、書面で出します。指定がない場合も、届いた日と内容を後で示せる方法を選んでください。内容証明に配達証明を付ける方法や、控えに受領のサインをもらう手渡しがあります。

解約予告の期間中に店を閉めても賃料はかかりますか?

賃貸借契約は解約日まで続くため、解約日までの賃料がかかります。早く明け渡しても、解約日までの賃料が減るとは限りません。足りない分の賃料を払えば早く解約できる条項があるかを、契約書の賃料と解約の条項で確かめてください。

解約予告の前に厨房機器の査定を取ってもいいですか?

取って問題ありません。査定を取っても売る義務は生じないのが通常です。売れる額が分かると、居抜きで譲るか機器を売るかを比べてから解約日を決められます。

貸主から解約予告を受けたらすぐに出ないといけませんか?

期間の定めがない契約で貸主が解約を申し入れた場合、借地借家法27条1項により申入れの日から6か月を経過して終了します。同法28条で、正当の事由が認められなければ申入れはできません。当てはまるかは事情で変わるため、弁護士などの専門家に相談してください。

この記事を書いた人

執筆・編集:厨房機器買取ナビ 編集部

飲食店の閉店・入れ替えで業務用の厨房機器を売るときの買取業者を、対応エリア・買取方法・得意な品目で比較しています。掲載している業者の情報は各社の公表情報、フロン排出抑制法など制度の内容は省庁の公表資料をもとに、確認した日付とあわせて記載しています。

最終更新:2026年9月4日