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状況別ガイド

飲食店の廃業手続きと
届出の一覧

届出はやり直しがききますが、機器の売却は退去日を過ぎるとやり直せません。並行して進めます。

最終更新:2026年9月4日

飲食店の廃業手続きと 届出の一覧状況別ガイド飲食店の廃業手続き一覧
目次
  1. 廃業手続きで先に知っておく4つのこと
  2. 廃業時の主な届出先と期限の目安
  3. 「廃業届は1か月以内」は誤りが広まっている
  4. 届出と並行して、機器と店舗の出口を決める
  5. 飲食店の廃業手続きに関するよくある質問

廃業手続きで先に知っておく4つのこと

  • 届出先は1か所ではない。保健所・税務署・消防・警察(深夜営業をしていた場合)など複数の窓口にそれぞれ届出がある
  • 手続きには期限の定めがあるものとないものが混在する。期限のあるものから片付ける
  • 帝国データバンクによると2025年の飲食店倒産は900件で過去最多・3年連続増加。撤退は珍しいことではなく、手続きも定型化されている
  • 機器の売却と原状回復は届出と並行で進める。退去日に間に合わなければ、機器は処分費のかかる残置物になる

廃業時の主な届出先と期限の目安

飲食店の廃業では、開業時に出した許可・届出を閉じる手続きが発生します。代表的な届出先は次のとおりです。店舗の業態(深夜営業・酒類提供・従業員の有無)によって必要な手続きは変わるため、一覧は出発点として使い、各窓口で自店のケースを確認してください。

廃業時の主な届出先と期限の目安
届出先主な手続き期限の目安
保健所廃業届(食品衛生法施行規則第71条の2)+営業許可書の返納法令に期限の定めはなく、自治体の運用による(10日以内としている区、随時としている県がある)
税務署個人事業の開業・廃業等届出書その年分の確定申告期限まで(所得税法第229条)
税務署所得税の青色申告の取りやめ届出書取りやめる年分の確定申告期限まで
税務署事業廃止届出書(消費税の課税事業者だった場合)速やかに
税務署給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書(従業員に給与を払っていた場合)廃止の日から1か月以内
都道府県税事務所個人事業税の申告/事業開始(廃止)等申告書廃止の日から1か月以内(申告)。申告書の期限は自治体で異なる(東京都は10日以内、愛知県は1か月以内)
消防署防火・防災管理者選任(解任)届出書遅滞なく(消防法第8条第2項)
警察署(生活安全課)深夜酒類提供飲食店営業の廃止届出書(該当店のみ)営業を廃止してから10日以内
年金事務所適用事業所全喪届/被保険者資格喪失届事実発生から5日以内
ハローワーク雇用保険適用事業所廃止届/被保険者資格喪失届翌日から起算して10日以内
労働基準監督署労働保険の確定保険料申告書事業を廃止・終了した日から50日以内

2026年9月4日時点で、国税庁・日本年金機構・各自治体・消防庁の公表資料および条文で確認した内容です。法人の場合は廃業届ではなく「異動届出書」になるなど手続きが異なります。すべての店舗に全項目が該当するわけではないため、正式な様式と自店のケースは各窓口でご確認ください。

「廃業届は1か月以内」は誤りが広まっている

廃業手続きの解説でもっともよく見かける誤りが、「個人事業の廃業届は廃業から1か月以内」という記述です。これは旧法の内容で、現行の所得税法第229条は次のように定めています。

提出期限は「その事実があった日の属する年分の所得税に係る確定申告期限まで」です。つまり年の途中で廃業した場合、その年分の確定申告の期限までに出せばよいことになります。国税庁の手続案内(A1-5)も同じ表記です。

ただし、これは「急がなくてよい」という意味ではありません。1か月以内の期限が定められている届出は別にあります。

  • 給与支払事務所等の廃止届出書——廃止の日から1か月以内。従業員に給与を払っていた場合に必要です
  • 個人事業税の申告——廃止の日から1か月以内(地方税法第72条の55第1項)

期限のある届出から先に片付け、廃業届と青色申告の取りやめ届は確定申告の準備と合わせて処理する——これが実際の順序になります。

消費税については、課税事業者選択不適用届出書などに「事業を廃止した旨」を記載して提出すれば事業廃止届出書の提出があったものとして扱われる運用があります(国税庁タックスアンサーNo.6603)。インボイスの登録取消も事業廃止届出書で行います。

届出と並行して、機器と店舗の出口を決める

届出そのものは窓口で完了しますが、時間との勝負になるのは店舗と機器の側です。賃貸借契約の退去日は待ってくれず、原状回復工事が始まれば機器は搬出できなくなります。

  1. 退去日を確認する——解約予告の期限(3〜6か月前が多い)と退去日で、全体の締め切りが決まります
  2. 居抜き(造作譲渡)か、機器売却+原状回復かを両にらみで進める——判断の枠組みは閉店時の買取ガイドにまとめています
  3. 機器リストを作って査定を取る——メーカー・型番・年式・リース品の区別。冷機・エアコンは廃棄するとフロン回収の手続きが法定のため、売れるかどうかで手間が大きく変わります
  4. 値のつかない物の処分を手配する——事業から出る廃棄物は家庭ごみに出せません。処分費とフロン回収費を見積もりに含めます

帝国データバンクの調査では、2025年の飲食店倒産は900件と過去最多を更新し、3年連続で増加しました。撤退の実務は特別なことではなく、段取りさえ守れば費用を抑える余地が残ります。届出のリストを潰しながら、機器の査定を並行で走らせてください。

参照:帝国データバンク「飲食店」の倒産動向(2025年)(2026年9月4日確認)

飲食店の廃業手続きに関するよくある質問

廃業届を出すのと店を閉めるのはどちらが先ですか?

一般には営業をやめてから各窓口へ届出を行います。個人事業の廃業届の期限は「その年分の確定申告期限まで」ですが、給与支払事務所等の廃止届(1か月以内)、年金事務所の全喪届(5日以内)、雇用保険の廃止届(10日以内)のように短い期限のものがあります。最終営業日を決めた時点でリストを作り、期限の短いものから処理してください。

法人経営の場合も手続きは同じですか?

窓口の構成は似ていますが、法人の場合は解散・清算など法人側の手続きが別に加わり、税務も法人の申告になります。個人事業の廃業届とは書類が異なるため、税理士など専門家に確認することをおすすめします。

機器の売却益は申告が必要ですか?

事業用資産の売却は事業の収支に関わります。廃業年の確定申告で扱いが変わる部分のため、売却額の記録(見積書・買取明細)を残し、税理士または税務署に確認してください。当サイトは税務の個別判断には踏み込みません。

この記事を書いた人

執筆・編集:厨房機器買取ナビ 編集部

飲食店の閉店・入れ替えで業務用の厨房機器を売るときの買取業者を、対応エリア・買取方法・得意な品目で比較しています。掲載している業者の情報は各社の公表情報、フロン排出抑制法など制度の内容は省庁の公表資料をもとに、確認した日付とあわせて記載しています。

最終更新:2026年9月4日