製氷機の処分は、業務用冷蔵庫と同じフロン排出抑制法の手続きに加えて、給排水の切り離しという水回りの作業がともないます。冷媒と水の両方を扱う機器なので、外す前の準備が結果を分けます。
一方で、製氷機は中古市場でよく動く品目でもあります。飲食店の開業・入れ替えで常に需要があり、とくにホシザキ製はメーカー名で指名されるほど流通が太いのが実情です。
この記事では、処分に必要な手続きと水抜きの手順、そして「捨てる前に売れるか」を判断する材料を整理します。
製氷機もフロン排出抑制法の対象
業務用の製氷機は冷媒にフロン類を使っており、フロン排出抑制法の第一種特定製品にあたります。廃棄するときの義務は業務用冷蔵庫と同じです。
| 義務 | 内容 | 怠った場合 |
|---|---|---|
| フロン類の回収 | 都道府県に登録された第一種フロン類充填回収業者に引き渡す | 50万円以下の罰金 |
| 引取証明書の写しの交付 | 行程管理票にもとづき交付する | 30万円以下の罰金 |
| 記録の保存 | 引き渡し完了から3年間 | — |
製氷機は冷蔵庫より小型なため「家電と同じ感覚で運び出せる」と思われがちですが、大きさではなく冷媒の有無で制度が決まります。卓上型でも業務用の第一種特定製品にあたるものは同じ手続きが必要です。
参照:環境省「フロン排出抑制法ポータルサイト」(2026年9月4日確認)
外す前に水を抜く
製氷機は給水・排水につながっています。搬出時の水漏れは建物側とのトラブルになるため、前日までの準備が要ります。
- 製氷を止めて氷を使い切る——貯氷庫に氷が残ったままでは搬出できません。前日には停止しておきます
- 給水バルブを閉める——本体側ではなく元栓を閉めます
- 水抜きをする——機種ごとに水抜きの手順が決まっているため、取扱説明書があれば従います。ない場合は業者に確認してください
- 貯氷庫内とフィルターを清掃する——水垢とカビは再販時にもっとも敬遠される部分です。届く範囲だけでも印象が変わります
ビルの上層階などで給排水の切り離しに工事が必要な場合は、誰が切り離すのかを見積もり段階で確定させてください。ここが決まっていないと当日に搬出できず、日程を組み直すことになります。
売れる条件はメーカーと製造年でほぼ決まる
製氷機は中古厨房機器のなかでも回転の速い品目です。査定の入り口は「どこのメーカーの、何年式か」に尽きます。
| 確認項目 | 見る場所 | 査定への効き方 |
|---|---|---|
| メーカー・型式 | 本体の銘板シール | 流通量の多いメーカー・型は値がつきやすい |
| 製造年 | 銘板シールの製造年月 | おおむね7年以内が目安。新しいほど有利 |
| 製氷能力(kg/日) | 型式番号に含まれることが多い | 店舗規模に合う帯(25〜95kg級)は需要が厚い |
| 動作・衛生状態 | 製氷の可否・水垢・カビ | 水回りの汚れは減点要因。清掃で差が出る |
買取業者のなかにはホシザキ製の買取に特化した専門サイトを運用している会社もあり、それだけ指名の需要があるということです。銘板の写真を2〜3社に送れば、訪問なしで概算が並びます。
値がつく条件の詳細は製氷機の買取ページにまとめています。
処分と買取のどちらが得かを判断する
判断は単純です。処分にかかる合計(フロン回収費+切り離し工事費+収集運搬費+処分費)と、買取額を並べるだけです。
製氷機の場合、次のように分かれます。
- 製造7年以内で正常に製氷する——買取の土俵。処分費がかからないうえに収入になります
- 製造10年前後で動作する——業者と型によります。相殺して無料引き取りになることもあります
- 氷ができない・水漏れがある——買取は難しく、処分費が全額かかります
氷のでき方が落ちている場合、フィルターや水垢の清掃で戻ることもあります。「壊れている」と決める前に清掃を試す価値はありますが、冷媒系統の不調であれば買取は難しくなります。状態はそのまま伝えて、引き取りの可否と処分費を並べて判断してください。
閉店で他の機器と一緒に処分する場合は、閉店時の買取ガイドで全体の段取りを確認してください。
製氷機の処分に関するよくある質問
卓上型の小さい製氷機でもフロンの手続きが必要ですか?
機器が第一種特定製品にあたるかで決まります。業務用として販売されている製氷機の多くは対象です。銘板に冷媒の種類が記載されているので、業者に伝えて確認してください。
水抜きは自分でやらないといけませんか?
業者が対応する場合もありますが、氷を使い切って製氷を止めておくことは依頼者側の準備になります。給排水の切り離しを誰がやるかは見積もりの段階で確定させてください。
ホシザキ以外のメーカーでも売れますか?
売れます。パナソニック・フクシマガリレイ・大和冷機など国内メーカーの製氷機は中古市場で流通しています。ただし流通量はメーカー・型で差があるため、複数社の査定で比べるのが確実です。
この記事を書いた人
執筆・編集:厨房機器買取ナビ 編集部
飲食店の閉店・入れ替えで業務用の厨房機器を売るときの買取業者を、対応エリア・買取方法・得意な品目で比較しています。掲載している業者の情報は各社の公表情報、フロン排出抑制法など制度の内容は省庁の公表資料をもとに、確認した日付とあわせて記載しています。
最終更新:2026年9月4日
