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閉店と居抜き

店舗の原状回復費用と
スケルトン戻しの範囲

最終更新:2026年9月4日

店舗の原状回復費用と スケルトン戻しの範囲閉店と居抜き店舗の原状回復費用はどう決まる?スケルトン戻しの範囲と確認点

店舗の原状回復は、住宅の退去とは性格がまったく違います。住宅では通常損耗の扱いが争点になりますが、事業用の賃貸借では「借りたときの状態に戻す」ことが契約で定められているのが一般的で、内装をすべて撤去する「スケルトン戻し」が求められることも珍しくありません。

そして費用は、工事の内容だけでは決まりません。どこまで戻すのか(範囲)、誰が工事するのか(貸主指定か)、何が残っているのか(残置物)——この3つで大きく変わります。

この記事では、原状回復費用が決まる仕組みと、厨房機器の扱いが費用に与える影響を整理します。

目次
  1. 費用を決めるのは工事内容より「範囲」
  2. 機器を先に搬出すると費用が下がる
  3. 見積もりで確認する項目
  4. 原状回復を回避できる場合がある
  5. 店舗の原状回復に関するよくある質問

費用を決めるのは工事内容より「範囲」

原状回復の見積もりを比べるとき、多くの人が単価に目を向けます。しかし実際に総額を左右するのはどこまで戻すかという範囲です。

費用を決めるのは工事内容より「範囲」
範囲の決まり方確認する場所費用への影響
契約書の原状回復条項賃貸借契約書。「スケルトン返し」「入居時の状態」などの文言最大。床・天井・間仕切りまで撤去するかが決まる
入居時の状態入居時の写真・図面・引渡し時の書面大きい。前テナントの造作を引き継いでいた場合、それを撤去する義務があるかが争点になる
貸主の指定業者の有無契約書、または管理会社への確認大きい。相見積もりが取れるかどうかが変わる
残置物の量退去時の現場中程度。機器・什器を搬出済みかで処分費が変わる

とくに2つ目は見落とされやすい部分です。居抜きで入居した店舗の場合、前テナントが作った造作まで撤去する義務があるのかは契約と引渡し時の記録によります。入居時の状態を示せる資料が手元にあるかどうかで、交渉の余地が変わります。

原状回復の範囲は個別の契約によって決まります。判断に迷う場合は契約書を持って専門家に相談してください。当サイトは契約の個別判断には踏み込みません。

機器を先に搬出すると費用が下がる

原状回復と厨房機器の処分は、別々の話に見えて連動しています。

工事が始まった時点で店内に残っている機器は「残置物」として扱われ、その撤去と処分の費用が原状回復の見積もりに乗ります。とくに次の機器は費用が大きくなります。

  • 業務用冷蔵庫・製氷機・冷蔵ショーケース——フロン排出抑制法の第一種特定製品。フロン類の回収費が別途かかります
  • 業務用エアコン——取り外し工事とフロン回収の両方が必要です
  • ガス機器・食器洗浄機——配管の切り離し作業がともないます

これらを工事前に買取に出せば、処分費がかからなくなるだけでなく、買取額という収入が発生します。同じ機器が、タイミング次第で「費用」にも「収入」にもなるということです。

手続きの詳細は業務用冷蔵庫の処分業務用エアコンの処分に、閉店全体の段取りは閉店でやることにまとめています。

見積もりで確認する項目

原状回復の見積もりは業者によって含まれる範囲が違うため、金額だけでは比べられません。次の項目を揃えてから比較してください。

見積もりで確認する項目
確認項目なぜ差が出るか
解体の範囲床・天井・壁・間仕切り・厨房設備のどこまでを撤去するか。範囲が違えば金額が違って当然
廃材の処分費が含まれるか工事費と処分費を分けている業者と一括の業者がある
残置物の扱い機器・什器が残っている前提かどうか。搬出済みの前提で見積もり直すと下がることがある
フロン機器の回収費法定の手続きなので必ず費用が発生する。含まれていない見積もりは後から追加になる
工期工事期間中も賃料が発生するため、工期は実質的な総額に影響する
養生・共用部の使用条件ビルによって搬出時間や養生の要件が違い、その分の費用がかかる

もう1点、貸主の指定業者があるかどうかを最初に確認してください。指定がある場合は相見積もりが取れないため、比較ではなく「範囲の妥当性」を確認する方向に切り替えることになります。指定がない場合は2〜3社から取ってください。

原状回復を回避できる場合がある

原状回復の費用をもっとも大きく圧縮できるのは、工事の値段を下げることではなく工事そのものを不要にすることです。それが造作譲渡(居抜き)です。

次の借り手が内装・設備をそのまま引き継ぐ形が成立すれば、原状回復の義務が実質的に生じない場合があります。ただし条件があります。

  • 貸主の承諾が必要——承諾なしに造作を譲渡すると契約違反になります。契約書の条項を先に確認してください
  • 次の借り手が見つかること——ここに時間がかかります。募集期間中も賃料は発生します
  • 設備が使える状態であること——古すぎる設備は引き継がれず、結局撤去になることもあります

成立すれば効果は大きいものの、時間が読めないのが最大の難点です。造作譲渡を待つ間も買取査定を並行して取り、締め切りを決めておくのが実務的な進め方になります。

仕組みは造作譲渡とは、売り手側の手順は居抜き売却の進め方にまとめています。

店舗の原状回復に関するよくある質問

スケルトン戻しとは何ですか?

内装や設備を撤去して、構造体(コンクリートの床・壁・天井)がむき出しの状態に戻すことです。事業用の賃貸借契約では、この状態での返還が定められていることがあります。どこまで戻すかは契約書の記載と貸主の指定によります。

原状回復費用の相場はいくらですか?

広さ・解体の範囲・立地・ビルの搬出条件で大きく変わるため、当サイトでは相場の一覧を掲載していません。金額の目安だけを持って交渉すると話がかみ合わなくなります。範囲を明確にしたうえで見積もりを取ってください。

貸主の指定業者が高い気がします。断れますか?

契約に指定の定めがある場合、一方的に断るのは難しいのが実情です。ただし見積もりの範囲が契約上の義務を超えていないかは確認できます。契約書を持って専門家に相談することをおすすめします。

厨房機器を残していけば処分の手間が省けますか?

手間は省けますが費用は増えます。残った機器は残置物として原状回復の見積もりに乗り、フロン機器であれば回収費も加算されます。売れる機器であれば、搬出したほうが収入と費用削減の両方になります。

この記事を書いた人

執筆・編集:厨房機器買取ナビ 編集部

飲食店の閉店・入れ替えで業務用の厨房機器を売るときの買取業者を、対応エリア・買取方法・得意な品目で比較しています。掲載している業者の情報は各社の公表情報、フロン排出抑制法など制度の内容は省庁の公表資料をもとに、確認した日付とあわせて記載しています。

最終更新:2026年9月4日