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処分と費用

店舗什器の処分方法と
産業廃棄物になる素材の見分け方

最終更新:2026年10月9日

店舗什器の処分方法と 産業廃棄物になる素材の見分け方処分と費用店舗什器の処分方法は?産業廃棄物になる素材と売れる物の見分け方

店舗什器の処分は、素材によって扱いが分かれます。事業で出たスチールの棚やワゴンは金属くず、樹脂の部品は廃プラスチック類として産業廃棄物になり、許可を持つ業者に委託します。飲食店から出た木製のテーブルや椅子は、産業廃棄物ではなく事業系一般廃棄物にあたり、頼める業者と持ち込める施設が変わります。

この記事では、素材ごとの区分、処分の前に売れる物を分ける手順、処分ルート、内装工事の前に店が片付ける残置物、蛍光管や家電が付いた什器の扱い、業者の許可と費用の決まり方を、法令と省庁・自治体の資料で整理します(2026年10月9日確認)。

目次
  1. 什器の処分は素材で区分が決まる
  2. 什器の処分前に売れる物を仕分ける
  3. 什器の処分ルートは区分で選ぶ
  4. 置き什器は内装工事の前に処分する
  5. 照明や家電が付いた什器の処分
  6. 什器の処分を頼む業者の許可を確かめる
  7. 什器の処分費用が決まる要素
  8. 店舗什器の処分に関するよくある質問

什器の処分は素材で区分が決まる

店舗什器を捨てるときの区分は、什器の名前ではなく素材で決まります。金属・樹脂・ガラスの部分は産業廃棄物、飲食店から出た木や布の部分は事業系一般廃棄物にあたり、頼める業者と持ち込める施設が変わります。

什器とは、店舗や事務所で営業に使う家具や道具のことです。陳列棚、ワゴン、ラック、客席のテーブルと椅子、カウンター、パーテーション、看板のスタンドなどが入ります。

什器の処分は素材で区分が決まる
素材店舗什器の例飲食店から出たときの区分根拠
金属(スチール・ステンレス・アルミ)陳列棚、ワゴン、ラック、椅子やテーブルの脚産業廃棄物(金属くず)施行令2条6号
樹脂(プラスチック)樹脂製の椅子、パーテーション、看板の面板産業廃棄物(廃プラスチック類)法2条4項1号
ガラス・陶磁器ガラスの陳列ケース、ガラスの棚板、鏡産業廃棄物(ガラスくず・陶磁器くず)施行令2条7号
木置いて使う木製のテーブル、椅子、棚事業系一般廃棄物施行令2条2号・法2条2項
布(繊維)カーテン、のれん、布張りのクッション事業系一般廃棄物施行令2条3号・法2条2項

廃棄物処理法は、事業活動に伴って生じた廃プラスチック類などと政令で定める廃棄物を産業廃棄物とし、それ以外の廃棄物を一般廃棄物としています。政令は金属くずやガラスくずを業種を問わず産業廃棄物にしています。

木くずが産業廃棄物になるのは、建設業(工作物の新築・改築・除去に伴うもの)、木材・木製品の製造業(家具の製造業を含む)、パルプ製造業、輸入木材の卸売業、物品賃貸業などに限られます。飲食店や小売店はこの中に入っていないため、店で使った木製の家具は事業系一般廃棄物です。繊維くずも同じように業種が限られています。

金属の脚が付いた木のテーブルのように素材が混ざった什器は、分解して素材ごとに出すのか、そのまま引き取れるのかが委託先や自治体で違います。見積もりの前に確かめてください。

どちらの区分でも、事業で使った什器は家庭ごみの収集の対象ではありません。東京二十三区清掃一部事務組合は、事業系一般廃棄物は排出事業者が自らの責任で処理し、自分でできない場合は許可業者などに委託するよう案内しています。

参照:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第2条/e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」第2条(いずれも2026年10月9日に条文を確認)/東京二十三区清掃一部事務組合「事業系一般廃棄物とは」(2025年2月14日更新・2026年10月9日確認)

什器の処分前に売れる物を仕分ける

処分を頼む前に、売れる什器を先に分けます。値がつく物を処分に回すと、受け取れたはずの売却額を逃したうえに処分費まで払うことになるため、査定に出す物、処分する物、返す物の3つに分けてから動きます。

什器の処分前に売れる物を仕分ける
仕分け当てはまる什器の例次にすること
査定に出す傷や汚れの少ない陳列棚・ワゴン、ステンレスの棚、数が揃ったテーブルと椅子厨房機器と一緒に買取業者の査定に出す
処分する壊れた物、割れや汚れの目立つ物、店の寸法に合わせた特注品素材ごとに分けて処分の見積もりを取る
返すリースやレンタルの什器・看板所有者に返却の方法を確かめる。店の判断で売ったり捨てたりしない

椅子やテーブルは、数が揃っているほうが値をつけてもらいやすい品目です。1点ずつでは出張の費用に見合わないこともあるため、厨房機器や食器とまとめて見てもらいます。査定の依頼先は買取業者の比較表、陳列棚や客席の家具を扱う業者は店舗什器の買取業者比較、閉店のときの進め方は閉店時の買取ガイドにまとめています。

リース品かどうかは契約書と機器に貼られた標識で確かめます。見分け方はリースと購入の違いで解説しています。

「買取」と名の付く引き取りでも、差し引きで店がお金を払う形なら注意が要ります。横浜市は、廃棄物か有価物かを物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無、占有者の意思を総合的に見て判断すると説明しています。取引価値の目安として、名目を問わず処理料金に当たる金品の受渡しがないこと、輸送費などを考えても双方に合理的な価格であることを挙げています。

運搬費や作業費の名目で結局は店が支払う引き取りは、廃棄物の処理として扱われることがあります。その場合は、次章の許可を持つ業者に委託する必要があります。

参照:横浜市「廃棄物該当性の判断について」(2023年4月1日更新。環境省「行政処分の指針について(通知)」令和3年4月14日にもとづく説明。2026年10月9日確認)

什器の処分ルートは区分で選ぶ

売れない什器の処分ルートは、産業廃棄物の許可業者への委託、一般廃棄物の許可業者への委託、自治体の処理施設への持ち込み、自分で運ぶ方法の4つです。どれを使えるかは、素材の区分と自治体のルールで決まります。

什器の処分ルートは区分で選ぶ
処分ルート対象手続きと注意点
産業廃棄物の許可業者に委託金属・樹脂・ガラスの什器都道府県知事の許可を持つ収集運搬業者と処分業者に委託する(法12条5項・14条)。書面の委託契約とマニフェストの交付が要る
一般廃棄物の許可業者に委託木製の家具、布製品市町村長の許可を持つ収集運搬業者に委託する(法7条1項)。許可は市町村ごと
自治体の処理施設に持ち込む自治体が受け入れる事業系一般廃棄物事前の申請と手数料が要る。受け入れる物と手続きは自治体ごとに違う
自分で運ぶ産業廃棄物・事業系一般廃棄物自分の廃棄物を自分で運ぶ場合は収集運搬業の許可は要らない(法7条1項・14条1項のただし書)。産業廃棄物は運搬の基準を守り、処分は処分業者に委託する

自治体の施設への持ち込みは、地域ごとに条件が違います。東京23区の例では、区の清掃事務所で申請したうえで清掃一部事務組合の施設に持ち込み、手数料は1kgにつき17円50銭(税込)です。社屋の移転などで出たごみを持ち込む「臨時持込み」はレンタカーでも可能とされています。

同じ東京23区でも、事業活動に伴う廃プラスチック類や金属くずは産業廃棄物のため持ち込めません。木製の家具は持ち込めても、金属の脚や樹脂の部品は産業廃棄物のルートに分ける必要があります。ほかの市町村で持ち込む場合は、その自治体の清掃担当の窓口に受け入れの範囲を確かめてください。

産業廃棄物のルートでは、運搬と処分の両方を許可業者に任せるのが一般的です。書類の中身は後の章で整理します。

参照:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第7条・第12条・第14条(2026年10月9日に条文を確認)/東京二十三区清掃一部事務組合「臨時持込み」(2026年6月17日更新・2026年10月9日確認)

置き什器は内装工事の前に処分する

退去の内装工事で壊す造り付けの什器は、工事の元請業者が処分の責任を負います。店が置いて使っていたテーブルや棚は残置物にあたり、処分の責任は店にあるため、工事が始まる前に片付けておきます。

置き什器は内装工事の前に処分する
区分什器の例処分の責任
解体物(工事で出る廃棄物)壁や床に固定した造り付けのカウンター・棚、造作の間仕切り工事の元請業者(法21条の3)
残置物(店が残した物)置いて使うテーブル・椅子・陳列棚・ワゴン、看板のスタンド、電化製品建物の所有者・占有者など(店)

廃棄物処理法21条の3は、建設工事に伴って出る廃棄物については、注文者から直接工事を請け負った元請業者を事業者とすると定めています。残置物はこれと扱いが違います。

栃木県は環境省の通知をもとに、解体やリフォームの際に所有者などが残した廃棄物の処理責任は所有者などにあり、元請業者が排出者として残置物を処理することはできないと案内しています。残置物の例は家具類(造り付け家具を除く)や電化製品です。店舗の残置物は、種類や性状によって一般廃棄物と産業廃棄物に分かれます。

同じ案内では、一般廃棄物にあたる残置物は産業廃棄物処理業の許可を持つ業者に委託できないとしています。木製のテーブルと金属の棚を同じ業者にまとめて頼むときは、その業者が両方の許可を持っているかを確かめてください。

工事の見積もりに「残置物撤去」が入っている場合も、排出者は店のままです。誰がどの許可で運ぶのか、契約とマニフェストが店の名義になっているかを見積もりの段階で聞いておきます。原状回復の範囲と見積もりの見方は原状回復費用の決まり方、退去までの段取りは閉店でやることの一覧で確かめられます。

次の借主に什器ごと引き継ぐ居抜きが決まれば、処分そのものが要らなくなります。条件の決め方は造作譲渡の解説を参考にしてください。

参照:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第21条の3(2026年10月9日に条文を確認)/栃木県「建築物の解体時等における残置物の取扱いについて」(2023年5月2日更新。環境省通知 平成30年6月22日にもとづく案内。2026年10月9日確認)

照明や家電が付いた什器の処分

照明や冷却装置、家電が付いた什器は、素材の区分に加えて別の手続きがかかります。取り外した蛍光管は水銀使用製品産業廃棄物、家庭用の冷蔵庫やテレビは家電リサイクル法、業務用の冷蔵ショーケースはフロン排出抑制法の対象です。

照明や家電が付いた什器の処分
付いている物扱い処分のときにすること
蛍光ランプ(直管・環形・電球形など)取り外した物は水銀使用製品産業廃棄物他の物と混ざらないように分けて保管し、運ぶときも割れないようにする。水銀使用製品産業廃棄物を扱える許可業者に委託する
家庭用の冷蔵庫・テレビ・エアコン・洗濯機店で使っていても家電リサイクル法の対象小売業者に引き取りを頼む、産業廃棄物の収集運搬業者に指定引取場所への運搬を委託する、または自分で指定引取場所に運ぶ
業務用の冷蔵ショーケース・冷蔵機器フロン排出抑制法の第一種特定製品廃棄の前に登録業者へフロン類を引き渡し、書面を保存する

環境省のリーフレットは、蛍光ランプを水銀使用製品産業廃棄物の対象に挙げています。蛍光ランプが器具に組み込まれたままの製品は、判別が難しいとして組込製品の対象から外されています。ただし、取り外した蛍光ランプは対象になります。

水銀使用製品産業廃棄物を委託するときは、業者の許可証の品目にこの廃棄物が含まれていることが必要です。委託契約書とマニフェストにも、含まれる旨を書きます。マニフェストには数量も記載します。

経済産業省の家電リサイクル制度FAQは、家庭用機器であれば事業所で使っていても家電リサイクル法の対象になるとしています。店のテレビや家庭用の冷蔵庫は、ほかの什器と分けて、FAQが示す方法で出します。

冷蔵ショーケースの手続きと罰則は冷蔵ショーケースの処分方法、フロン類を引き渡すときの書面は行程管理票の解説にまとめています。

参照:環境省「水銀廃棄物関係」掲載のリーフレット「水銀廃棄物の適正処理について、新たな対応が必要になります。」(平成29年6月)/経済産業省「家電リサイクル制度FAQ」Q13・Q14(2024年7月10日更新。いずれも2026年10月9日確認)

什器の処分を頼む業者の許可を確かめる

什器の処分を頼むときは、運ぶ物の区分に合った許可を業者が持っているかを確かめます。産業廃棄物は都道府県知事、事業系一般廃棄物は市町村長の許可で、どちらも業を行う区域ごとに出ています。

什器の処分を頼む業者の許可を確かめる
確かめること見るもの理由
許可の種類産業廃棄物収集運搬業・一般廃棄物収集運搬業の許可証の写し区分に合わない許可では委託できない
許可の区域店のある場所と降ろす施設のある場所の許可か許可は業を行う区域を管轄する自治体が出す(法7条1項・14条1項)
扱える品目金属くず・廃プラスチック類・ガラスくずなど、出す物が許可証の品目にあるか事業の範囲に含まれる物しか委託できない(施行令6条の2)
契約書書面の委託契約。廃棄物の種類と数量などの条項産業廃棄物の委託の基準(施行令6条の2第4号)
マニフェスト引渡しと同時に交付し、写しを5年間保存する法12条の3・施行規則8条の21の2

廃棄物処理法3条1項は、事業者は事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任で適正に処理しなければならないと定めています。業者に任せても、什器を出した店の責任はなくなりません。

許可証の写しは、見積もりの段階でもらっておきます。買取業者に値がつかない物の引き取りまで頼むときも、同じ確認が要ります。当サイトの買取業者の紹介には、産業廃棄物収集運搬業の許可を公表している業者について許可の番号も載せています。区分や書類の全体像は厨房機器の処分方法でも解説しています。

参照:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第3条・第7条・第12条の3・第14条/e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」第6条の2/e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則」第8条の21の2(いずれも2026年10月9日に条文を確認)

什器の処分費用が決まる要素

什器の処分費用は、処分する量と重さ、運び出す車両と作業の手間、別の手続きが要る物の有無で決まります。売れる物を先に外して量を減らし、素材ごとに分けてから見積もりを取るのが費用を抑える順番です。

什器の処分費用が決まる要素
費用の要素中身抑えどころ
処分費処理施設の手数料や処分業者の料金。東京23区の施設への持ち込みは1kgにつき17円50銭売れる物を先に外して量を減らす
運搬費車両の大きさと台数、店から施設までの距離厨房機器や食器と搬出日をそろえ、1回で運ぶ
作業費分解、素材ごとの分別、階段やエレベーターのない搬出分解できる物は事前に分け、搬出経路を伝えておく
別の手続き蛍光管の処分、家電リサイクル料金、フロン類の回収該当する物を洗い出して見積もりに入れてもらう

進める順番は次のとおりです。

  1. リース・レンタルの什器を分け、所有者に返し方を確かめる
  2. 厨房機器と一緒に買取の査定に出し、値がつく物を外す
  3. 残った什器を素材で分け、産業廃棄物と一般廃棄物それぞれの見積もりを取る
  4. 内装工事の着工前に搬出を終える

処分業者だけに見積もりを取ると、売れる什器まで処分費の対象になります。閉店の費用全体の中での位置づけは飲食店の閉店費用、業者ごとの対応は比較表で確かめられます。

参照:東京二十三区清掃一部事務組合「臨時持込み」(2026年6月17日更新・2026年10月9日確認)/経済産業省「家電リサイクル制度FAQ」(2026年10月9日確認)

店舗什器の処分に関するよくある質問

店舗の什器は粗大ごみに出せますか?

出せません。事業で使った什器は事業活動に伴う廃棄物で、家庭ごみの収集の対象外です。金属や樹脂の什器は産業廃棄物として許可業者に委託し、木製の家具は事業系一般廃棄物として自治体のルールに従って処分します。

木製のテーブルや椅子は産業廃棄物ですか?

飲食店や小売店から出た木製の家具は、産業廃棄物ではなく事業系一般廃棄物にあたります。政令で木くずが産業廃棄物になる業種は、建設業や家具の製造業などに限られているためです。金属の脚など別の素材の部分は産業廃棄物です。

内装工事の業者に什器もまとめて処分してもらえますか?

造り付けの什器は工事で出る廃棄物として元請業者が処分します。置いて使っていたテーブルや棚は残置物で、処分の責任は店にあります。工事業者に頼む場合も、店が排出者として、その区分の許可を持つ業者に委託する形になります。

蛍光灯が付いた陳列棚はどう処分しますか?

取り外した蛍光ランプは水銀使用製品産業廃棄物の対象です。他の物と混ざらないように分けて保管し、この廃棄物を扱える許可業者に委託します。棚の本体は素材ごとの区分に従って処分します。

処分の前に買取の査定を取る必要はありますか?

義務ではありませんが、先に取るほうが処分する量を減らせます。売れた物には処分費がかからず、売れなかった物だけを区分ごとに見積もれます。査定を取っても売る義務は生じないのが通常です。

この記事を書いた人

執筆・編集:厨房機器買取ナビ 編集部

飲食店の閉店・入れ替えで業務用の厨房機器を売るときの買取業者を、対応エリア・買取方法・得意な品目で比較しています。掲載している業者の情報は各社の公表情報、フロン排出抑制法など制度の内容は省庁の公表資料をもとに、確認した日付とあわせて記載しています。

最終更新:2026年9月4日